2017.02.10

唾液検査について

今回は、唾液検査の目的とポイントをお伝えしたいと思います。唾液検査は、患者さんのカリエスリスクを分析・管理する上で重要な検査方法です。唾液検査キット自体は、各社から販売されておりますが、ミュータンス菌とラクトバチルス菌を培地にて培養するもの、そして、唾液の緩衝能、唾液量を測定するものが一般的です。

そして、その結果を項目ごとに数値化いたします。数値化(指標化)することにより、患者さんにわかりやすく伝えることができます。数値をグラフ化するとさらに効果的に伝えられることができます。グラフにはいくつかの種類がありますが、目的に沿った適切なグラフを使用することでその理解度はいっそう大きくなります。例えば、各指標の構成比を表にしたい場合は円グラフ、時系列に沿った推移の変化を強調したい場合は折れ線グラフなどを使用するとよいといわれています。唾液検査の結果はカリエスリスクをレーダーチャートにしている場合が多いです。

レーダーチャートにすることにより、どの項目が優れているか、どの項目に注意をする必要があるのかということが一目でわかります。そして、もう一つ重要となるのが、唾液検査の目的です。上記のようにリスク分析・管理を行い、う蝕診断は主目的の一つです。

もう一つの主目的である患者さんへのモチベーション(動機付け)という部分を解説させていただきます。患者さんの立場では、唾液検査を行うことにより、自分自身の口腔内の菌数や唾液の量、性質をより一層詳しく把握することができます。今まで認識していなかった唾液や菌という新しい項目で自分の口腔内の現状をみることができます。

ここでキーポイントとなるのが、「現状の把握」です。現状の把握と目標設定が重要です。目標設定とは、現状を知ることにより口腔内がどういう状態であるべきかと設定する事です。

「現状の把握」と「目標の設定」により、自分が何をしたら良いのか!という部分を医院からの提案により、患者さんは深く理解することができます。深く理解することにより、患者さんのモチベーションはアップいたします。

唾液検査を有料で行うことは簡単ではないといわれております。初診で来られた患者さんに有料で唾液検査を行う事は、定期管理型医院づくりを行う上での最初の障壁となるケースが多くございます。

なぜ、障壁となるのでしょうか?

患者さんのモチベーションという部分では、本来唾液検査は目的ではなく手段です。患者さんごとの「現状の把握」と「目標の設定」をしっかり実施して定期的に歯科医院に来院して口腔内を健康な状態にキープすることが目的です。
それが、患者さんごとの「現状の把握」と「目標の設定」という部分が曖昧となり、唾液検査を100%受入れてもらうことが目的になっている場合がございます。

その場合は、なんとか唾液検査を受入れてもらおうと、唾液検査のメリットばかりを提示していて、肝心の唾液検査による患者さん自身のメリットを提示していない場合がございます。

《強調する点》────────────────────────────────────

△・・・唾液検査のメリット
ex.) 目には見えない菌の数がわかる。

◎・・・患者さん自身のメリット
ex.) 現状の把握と目標設定が出来る。

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実際に100%に近い実施率を行っている歯科医院では「患者さんの目標」をしっかりと提示して、そのために現状の口腔内の環境を把握しましょうという
アプローチ方法をされている医院さんが多いです。

そして、患者さんが唾液検査を実施した後も、その費用効果分の説明を十分に実施することや、「この検査のおかげで、対応策をしぼることができました。」という、前向きな言葉をかけている歯科医院もございます。

以上のように唾液検査の目的には、リスク分析・管理の診断に役立つという側面と患者さんのモチベーションアップという目的もあります。

次回は、患者さんへの初診コンサルの内容のポイントをお話させていただきます。

mushiba

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献
・『クリニカル・カリオロジー 普及版』
熊谷 崇 著 医歯薬出版株式会社

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