日本の少子化は非常に深刻で、2025年から2040年という僅か15年間において、現役人口（20歳ー64歳）が約1,000万人減少すると言われています。それに伴い、特に29歳以下の若手歯科医師/歯科衛生士師の数が著しく減少し、人材獲得競争の激化や、
開業数及び歯科医院数の減少につながる可能性が予測されています。

歯科医療の現場では、口腔内の治療、メインテナンスの施術を行うだけでなく、診療終了後も翌日の診療の準備や経営に関わる多くの業務があります。これらの手続きの多くは未だ書面で行われており、長時間の労働につながっています。こうした状況を改善すべく、医療事務、経営事務に関わる作業を効率化する様々なシステム開発が進んでいます。

日本の国民医療は、「人材不足」「高齢化」「医師の偏在」「情報格差」「医療費の地域差」などの要因が互いに影響し、今後益々地域格差が広がっていく傾向にあります。国民一人一人が平等に医療技術を享受する社会の実現の為に、地域医療を連携させた情報ネットワークの構築の必要性が問われています。

全身の健康と口腔の健康との関連について認識が広まりつつある中、2022年政府の「骨太の方針」で「国民皆歯科健診」の具体的な検討を開始。歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組むことが示されました。予防歯科の重視、医科歯科連携など業界活性化への期待が膨らむ一方、人材不足等、解決すべき課題も多いと考えられます。